少額債権の債権回収について

少額だからとあきらめずに…少額債権の回収

少額債権の回収について

少額債権(ここでは,およそ100万円以下の債権をさします)の回収は,回収作業自体に大きなコストをかけるわけにはいきません。そのため,少ないコストでいかに回収するかが非常に重要になります。加えて,債権額が小さいため経営にすぐに大きな影響をおよぼさないケースも多く,対応が遅れがちです。

また,対応が遅くなればなるほど,回収が困難になることもあります。“塵も積もれば山となる”ということわざの通り,少額債権も積み重なれば非常に大きな損失となっているおそれがあります。

少額債権の債権回収の方法

少額債権(ここでは,およそ100万円以下の債権をさします)の回収においては,社内で債権額に応じてどのような手段を採るべきなのかをあらかじめ定めておき,その規定にしたがって回収作業をすることが,コスト削減の観点から非常に重要です。社内で定めておくべき既定の一例をご紹介します。

少額債権対応に関する社内規定の例
債権額 対応
10万円未満 ①督促状の送付 ②電話交渉 ③訪問交渉
10万円以上40万円未満 ①督促状の送付 ②内容証明郵便送付 ③電話交渉 ④訪問交渉
40万円以上60万円未満 ①内容証明郵便送付 ②電話交渉 ③訴訟などの手続
60万円以上100万円以下 ①内容証明郵便送付 ②電話交渉 ③訴訟などの手続 ④強制執行手続

つぎに,回収方法についてご説明します。回収方法には,下記があります。

少額債権の回収方法

少額債権の回収を行う前の確認事項

債権を回収する際には,事前に注意しなければならないポイントがあります。これらのチェックを怠った場合,回収できると期待していた債権が回収できなくなる事態も起こり得るため,注意が必要です。

下記では,少額債権の回収を行う前の確認事項についてご説明します。

消滅時効

民法によると,通常の債権の時効は10年です。しかし,商行為によって生じた債権については5年,債権の種類によっては,短期消滅時効というさらに短い時効期間が法律で定められています。債権を回収する前には,回収すべき債権に,これらの消滅時効が成立していないかチェックしなければなりません。また,どの債権にあたるかについては,法律上,解釈の違いがあります。実際に債権を回収したいとお考えの際には,弁護士などの専門家へご相談ください。

確定判決と同一の効力を有するもの 10年
個人間の売買,貸付など
家賃 5年
NHKの受信料
商事債権
請負代金(工事,設計,監理など) 3年
医師の治療費,助産師,薬剤師の債権
不法行為の損害賠償・慰謝料
振出人に対する手形債権
商品売買代金 2年
給与債権
財産分与
運送費 1年
飲食費 
※上図は一例であり,すべての短期消滅時効が網羅されているものではありません。

支払猶予の申入れの有無

取引先から支払の猶予を依頼されたとき,その原因を具体的に確認することが重要です。それが一時的な資金不足によるものであり,将来的には解消されるものであるのか,それとも慢性的な売上不振などにより中長期的にも解消の見込がないのかを,下記のような要素を総合的に考慮して,債権回収にあたらなければなりません。

  • 相手方の財務諸表の提出を求め,財務状況を把握する
  • 同業他社の状況を調査し,業界全体が低迷しているのか
  • 過剰在庫,過大な設備投資,本業以外の事業への過大な投資がないか
  • ほかの債権者にも支払猶予の申入れをしているか   など

債権譲渡禁止特約の有無

債権譲渡禁止特約とは,「相手方の承諾なく当該契約から生じた債権を第三者へ譲渡・売却することはできない」という趣旨の特約条項です。

たとえば,A社がB社に対して債権を有しており,B社がC社に対して債権を有しているケースです。B社とC社の間の債権に譲渡禁止特約がついていないときには,A社はB社から債権の譲渡を受け,C社から債権を回収することができます。

債権譲渡をA社とB社の間で行う場合には,譲渡人であるB社から債務者であるC社に債権譲渡した旨を内容証明郵便などで通知しなければなりません。

債権譲渡禁止特約の有無

相殺予約条項の有無

相殺とは,債権・債務の両方を同一の者に対して有しているときに,その債権と債務を重なる金額の範囲で消滅させることです。

相殺予約条項の有無

相殺を行うためには,相殺に用いる債権・債務の弁済期が到来している必要があり,このような状態を相殺適状といいます。相手方に有している債権について弁済期が到来していない場合には,相殺をすることができません。

将来的に相殺できる債権があるにもかかわらず,貴社の債務についてのみ弁済期が到来し,信用不安がある相手方への支払をせざるを得ない状況が起きた場合,有用なのが相殺予約です。

たとえばA社が,信用不安のあるB社への債務について,「弁済期の到来期を問わず,対等額で相殺することができる」というような主旨の条項を契約書で設定します。その場合,A社はB社への支払を強いられるような状況には陥りません。契約書を確認し,相殺予約についての条項が設定されていないか,相殺できる債権・債務が存在しないかについてチェックしなければなりません。

相殺予約条項の有無

保証人の有無

回収すべき債権に関して保証人がついているのか否か,またその保証人が「保証人」であるのか「連帯保証人」であるのかの違いも重要です。民法の規定によると,単なる保証人の場合には,債権者から支払の請求を受けた場合に「まず債務者に請求してください」または「債務者に資力があるので,まずは債務者から回収してください」というような主張をすることができます。

これに対し,連帯保証人は債務者本人とまったく同等の義務を負っているため,保証人と同じような主張はできないとの規定があります。このように保証人からの債権回収を行おうとする場合,保証人か連帯保証人かで債権者側の対応が異なってくるため,慎重に行う必要があります。

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