企業間取引などで発生する売掛金の債権回収について

企業間取引などで発生した…売掛金の回収

売掛金の回収について

企業を経営していると,商品代金など売掛金の支払遅延,滞納の問題に直面することがあります。いくら社内で与信管理のシステムを確立していても,ゼロにすることは困難です。実際,当事務所が顧問をさせていただいている企業の多くが,売掛金回収の問題でご相談にこられます。

営業もせず商品を売らなければ,プラスマイナスゼロです。しかし,がんばって営業して商品などを販売しても,その代金を回収できなければ,単純計算でマイナスになってしまいます。それだけでなく,会社としては,期待していたキャッシュが入ってこないということになり,会社のキャッシュフローにも大きな問題が生じます。売掛金の回収にあたっては,会社に与えるインパクトやダメージを考慮すると,回収率を高めるのはもちろん,迅速かつ可能な限りローコストで回収することが重要です。

売掛金の債権回収の方法

売掛金の回収には,さまざまな方法があります。訴訟などの裁判手続が代表的ですが,裁判手続は費用も時間もかかり,相手方との関係性にもネガティブな要素が生じる危険性が大きいため,できる限り裁判手続以外の方法で回収します。

回収方法には,下記があります。それぞれについてご説明します。

債権回収の方法(売掛金)

売掛金の債権回収を行う前の確認事項

債権を回収する際には,事前に注意しなければならない項目があります。これらのチェックを怠ると,回収できると期待していた債権が回収できなくなる事態にもつながりかねません。

下記では,売掛金の回収を行う前の確認事項についてご説明します。

消滅時効

通常の債権は,民法によると時効は10年です。しかし,商行為によって生じた債権については5年,さらに債権の種類によっては,短期消滅時効という短い時効期間が法律で定められています。

債権回収をする前には,回収すべき債権に,この消滅時効が成立していないかのチェックが必要です。どの債権にあたるかについては,法律の解釈の違いがあります。実際に債権を回収することをお考えの際には,弁護士など専門家へご相談ください。

確定判決と同一の効力を有するもの 10年
個人間の売買,貸付など
家賃 5年
NHKの受信料
商事債権
請負代金(工事,設計,監理など) 3年
医師の治療費,助産師,薬剤師の債権
不法行為の損害賠償・慰謝料
振出人に対する手形債権
商品売買代金 2年
給与債権
財産分与
運送費 1年
飲食費 
※上図は一例であり,すべての短期消滅時効が網羅されているものではありません。

相手方の資力

相手方の資力は,実際に債権を回収するときに重要になります。訴訟を起こして債権の満額判決を得たとしても,相手方に支払能力がなかったり,支払わなかったりした場合,あまり意味がなくなってしまうからです。そのため,強制執行などを見据えて,以下の点をできる限り調査しておくことが望ましいです。

  • 預貯金口座を有している取引銀行およびその支店名
  • 売掛金など相手方が債権を有している取引先の情報
  • 不動産所有の有無
  • 賃借している不動産の保証金の有無とその額   など

支払猶予の申入れの有無

「支払期日を延ばしてほしい」,「手形の支払期限を変更してほしい」などと取引先から言われた場合に重要なことは,支払の猶予を依頼された原因を具体的に確認することです。それが一時的な資金不足によるものであり,将来的には解消されるものであるのか,それとも慢性的な売上不振などにより中長期的にも解消の見込がないのかを,下記のような要素を総合的に考慮して,債権回収にいかす必要があります。

  • 相手方の財務諸表の提出を求め,財務状況を把握する
  • 同業他社の状況を調査し,業界全体が低迷しているのか
  • 過剰在庫,過大な設備投資,本業以外の事業への過大な投資がないか
  • ほかの債権者にも支払猶予の申入れをしているか   など

債権譲渡禁止特約の有無

債権譲渡禁止特約とは,「相手方の承諾なく当該契約から生じた債権を第三者へ譲渡・売却することはできない」という趣旨の特約条項です。

たとえば,A社がB社に対して債権を有しており,B社がC社に対して債権を有している場合を考えてみます。B社とC社の間の債権に譲渡禁止特約がついていないときには,A社はB社から債権の譲渡を受け,C社から債権を回収することができます。

債権譲渡をA社とB社の間で行う場合には,譲渡人であるB社から債務者であるC社に債権譲渡した旨の通知を内容証明郵便などで行う必要があります。

債権譲渡禁止特約の有無

相殺予約条項の有無

相殺とは,債権・債務の両方を同一の者に対して有しているときに,その債権と債務を重なる金額の範囲で消滅させることです。

相殺予約条項の有無

相殺を行うためには,相殺に用いる債権・債務の弁済期が到来している必要があり,このような状態を相殺適状といいます。つまり,相手方に有している債権について弁済期が到来していない場合には,相殺をすることができません。
しかし,将来的に相殺できる債権があるにもかかわらず,貴社の債務についてのみ弁済期が到来し,信用不安がある相手方への支払をせざるを得ない状況も考えられます。そこで有用なのが,相殺予約です。

たとえばA社が,信用不安のあるB社への債務について,「弁済期の到来期を問わず,対等額で相殺することができる」というような主旨の条項を契約書で設定します。その場合,A社はB社への支払を強いられるような状況にはなりません。契約書を確認し,相殺予約についての条項が設定されていないか,相殺できる債権・債務が存在しないかについて確認することが必要です。

相殺予約条項の有無

保証人の有無

回収すべき債権に関して保証人がついているのか否か,またその保証人が「保証人」であるのか「連帯保証人」であるのかの違いも重要です。単なる保証人の場合には,債権者から支払の請求を受けた場合に「まず債務者に請求してください」または「債務者に資力があるので,まずは債務者から回収してください」というような主張を行えることが民法で規定されています。

これに対し,連帯保証人は債務者本人とまったく同等の義務を負っているため,保証人と同じような主張を行うことはできないとの規定があります。このように保証人からの債権回収を行おうとする場合,保証人か連帯保証人かで対応が異なってくるため,慎重に行わなければなりません。

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